秘密基地管理人のブログ

機械を愛する、秘密基地のような部屋の管理人の作業やゲームプレイのブログ。作業の内容は主にスーファミからスイッチまで様々な新旧ゲーム機、電子機器は電卓からパソコンまで、修理や改造をする。気まぐれ更新。きらっ☆

動け、もう一度。DSi LL 10年越しの挑戦 〜1台のゲーム機を巡る、思い出と後悔の物語・そして、執念の決意〜【四台目】

どうも。管理人です。

今回は、DSi LLを修理します。自室のジャンクハードにまみれている一台ですが、このDSには自分にとって、特別なストーリーがあります。

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これです。前まで普通に使っていたのですが、ある日突然、カルピスに浸ることになるんです…

7年前の夏休み、昨日のことのように、今はっきりと思い出す……

 

親戚の子供たち(自分・妹・いとこの3人)で集まり、祖母の家に泊まる恒例行事。

真夏の快晴の日、出掛けることになり、各自の荷物を一つの水を通さない防水のカバンに集めて入れることになりました。

当時から真面目で几帳面だった(?)自分は、3人の誰よりも早く出発の準備を始めました。

 

準備を終え目的地に向け出発し、最年長の自分が荷物を持ちました。

しばらくして、カバンに違和感を感じました。底の方が冷たいのです。

不安になり、祖母やいとこに聞きました。

自分「底の方冷たいけど大丈夫?水筒の中身とか平気?

祖母「水筒はふたも閉めたし、袋に入れてあるから大丈夫」

いとこ「何心配してるの?ww平気だってww」

 

そんなやり取りを繰り返して三回目。

自分「やっぱり変だ。」

いとこ「そんなに言うなら自分で見れば?」

 

案の定、水筒の中身がこぼれていました。袋は無意味でした。

中身を全部出してみると、カバンの底に自分の3DSDSi LLがカルピスに浸っているのが見えました。慌ててカバンから取り出すと、DSからカルピスが滴りました。

早く準備を始めたために、自分のDSはカバンの一番底にありました。

 

電源はつけっぱなしのスリープ状態。開いて画面がついていることを確認し、安心して、もう一度歩き始めました。(こんな時は、すぐに電源を落とし、バッテリーを抜きましょう)

その1時間後、いつも通り3DSで「とびだせどうぶつの森」で遊んでいると、突然、画面に横じまのノイズが入り、スピーカーから「ピーー」と音が聞こえ、フリーズしました。代わりにと、DSi LLを取り出しましたが、その時点で電源はつきませんでした

 

残りの二日間、何もない祖母の家で過ごしました。(縁側や豊かな自然があるようなところであれば十分楽しかったものの、住宅街のアパートの一室なので、本当に何もない。)

いとこと妹は楽しそうにゲームをしていました。。。

 

なぜ、水を通さない、防水のカバンだったのか…

なぜ、自分の選んだ麦茶ではなく、いとこの選んだカルピスがこぼれたのか…

なぜ、誰よりも早く準備を始めた自分のDSが犠牲になったのか…

なぜ、最後までゲームをして怒られていた妹やいとこのDSが助かったのか…

なぜ、電源を落とさずに、スリープで持ち運んだのか…

なぜ、電源を入れて、そのまま遊んでしまったのか…

 

当時、悲しむ自分に親は「誰も悪くない」って、言いました。「ゲームをやりすぎて、罰が当たったんだ」とも言われました。

今考えると、誰も悪くなかったって、思います。でも、当時の子供だった自分は、どうしても納得できなくて。

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当時は自分も子供で、当然、修理できる技術はありませんでした

父親がパーツクリーナーで色々やってくれて、3DSはどうにか助かりました。しかし、この緑のDSi LLだけは助からなくて… 悔しくて…

 

その後、ほぼ新品の状態の中古の3DSを買ってくれました。自分の不注意ではなかったとは言え、三台目のゲーム機を買ってもらえたこと。それが、どれだけありがたいことだったかは、さすがに当時の自分でも分かります。それでも、このDSi LLが動かないのが、悔しくて…

 

(自分にとっては)新しい端末が手に入ってからも、この件をずっと引きずってるのは、今でも納得がいっていないからなのかもしれません。

もしかしたら、DSi LLが動かないのが悔しいのではなくて、自分の不運が悔しいのかもしれません。

 

自分が、こんなふうに電子機器ばっかりいじるようになったのは、これが発端なのかもしれません。

 

この件を思い出すたびに、日常生活で、普通にゲームができることが、どんなに幸せでありがたいことなのかを感じます。

 

 

そんな思い出語りは程々にして、作業に入ります。

 

今回の水没は処置が難しいです。理由は、「相手がカルピスだったこと」です。

相手が普通の雨水や麦茶なら話は早いのですが、カルピスだと糖分が含まれているので、ベタベタします。作業も面倒だし、何より機械にも良くない。

使うもの

  1. 接点復活剤、無水エタノールf:id:sone0731:20200211103328j:image
  2. 紙コップなど(外した部品を入れます)f:id:sone0731:20200211103419j:image
  3. 綿棒、ウエットティッシュ
  4. 特殊ドライバーセット

主に上記4点です。

早速バラしていきます。

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端四点の隠しネジも忘れずに

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開きました。父親はどんな処置をしたのか、全体的にベタベタです。雑です。

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どうやらメイン基盤以降ははずさなかったらしく、あちこちがカルピスのベタベタで固着してました。

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十字ボタンの基盤を外しました。こりゃ酷い…

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携帯型のゲームハードは初めてバラしますが、なんか新鮮で面白い。

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閉じているのに上画面が丸見え。こりゃすごい。

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で、上画面のこの四角いやつ。前々から気になってはいたけど、これが隠しネジらしいです。スッキリ。

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充電とかのランプ部分。茶色のベタベタがべっとり。上画面を外すには奥に見える白いのを突くそうです。

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このケーブルを抜く作業。切れないかヒヤヒヤした。しわくちゃだけど切れてないといいなぁ…
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ふぅ…上画面と下画面のヒンジ部分が一番大変です。組めるか心配…

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洗えそうなボディ部品は歯ブラシと石鹸で洗います。

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基盤は無水エタノールと綿棒で掃除。

 

一連の掃除を終えたので、組みます。
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メイン基盤とか取り付けて

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ここまで来ました。

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バッテリーをはめて、

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いざ、勝負。

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おっ?

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シーン…

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危険を承知で充電してみます。

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いけるか?
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・・・・・

だめみたいです。しばらく充電してからも試しましたが、電源がつくことはありませんでした。この一連の動作確認で状態が悪化してしまったかも…

おそらく、どこかがショートしているのでしょう。その部品を交換すれば動くものと思われます。今の自分には原因を発見して、治せる技術がないので、これ以上の処置ができません。

 

やはり、ここまでやって修理できないのは悔しい。ここまでやらなくても修理できないのは悔しい。しかも、初めて自分のために買ってもらったゲームハードが、長年、悔やみ続けたゲームハードが。

実は、中には、今は亡き祖父の写真のデータが入っているはずなんです。祖父の写真だけでなく、自分の思い出だって、努力だって、いろんなものが詰まってるんです。

なので、絶対に動かさないといけない。いや、意地でも、もう一度だけでいいから、自分の手で、動かしたい

 

これからも沢山のゲームハードやパソコン、家電を扱って、知識と経験を積んで、いつか自分の手で、このDSi LLを動かします。それが自分の目標です。それができるまでは、何があっても死んではいけない気さえしてきます。いや、なおせるまで絶対に死ねません。死にません。

 

人生の目標しょうもなっ…